酒
「 一杯飲み屋で安酒をあおって
それで、毎日毎日が忘れられるというのなら
僕は、有り金の全てをはたいても
有り金の全てをはいても
夕暮れとなって、青い灯、赤い灯が点り
黄昏が街角を漂う時
自棄酒をあおって、よろめき歩く
酔っ払いのひとりひとりに
しつこく尋ねてみるがよい
本当にお前は、それで
本当にお前は、それで、幸せなのかと
人生の宿命を、少しでも
逃れられたと、本気で信じているのかと
そして、千鳥足を真似て
ネオンの眩い色街の辺りをぶらつき歩けば
あ〜、ぼけた網膜に
またも淋しい幻が、ひっかかってくる。 」
(安酒しか飲めなくても、これから先、あなたの姿を見れないより、あなたの唄が聴けないより、マシだろう。)