3614 JACKSON HIGHWAY

「今日のタイトルにピンときたら、110番」じゃなかった、ピンときた人は偉くはないが、座布団1枚くらいは差し上げたい。
ソニー&シェール、元グレッグ・オールマンの彼女(?)であったシェールのアルバム・タイトルにもなった今日のタイトルは、ご存知の方はご存知、(オリジナル)マスル・ショールズ・サウンド・スタジオの住所。

ソウル・ファンや'70年代のサザン・ロック、スワンプ・ロック・ファンには、お馴染みのマスル・ショールズという名は、アラバマ州の地名であったが、その地のスタジオで録音された音楽が評判を呼び、マスル・ショールズ・サウンドという呼称までとなった。
元々、'60年代初期にリック・ホールが設立したフェイム・スタジオが最初であった。

このフェイム・スタジオで録音されたアーサー・アレキサンダーの「ユー・ベター・ムーヴ・オン」がヒットし、その後リック・ホールは、サザン・ソウルの名曲を多数、制作している。
その後、フェイム・スタジオで働いていたミュージシャン達が1969年に設立したのが、マスル・ショールズ・サウンド・スタジオである。
今や、マスル・ショールズ・サウンドというとこちらを指すのが通性で、そのスタジオのミュージシャン達こそ、「マスル・ショールズ・リズム・セクション」として、'70年代に引く手数多のスタジオ・ミュージシャンの4人組であったのである。
その4人とは、ジミージョンソン(ギター)デビッド・フッド(ベース)バリー・バケット(キーボード)ロジャー・ホーキンス(ドラム)。
デュアン・オールマンも一時期、この地でスタジオ・ワークをこなし、ウィルソン・ピケットボズ・スキャッグスのバックでの演奏が話題になったりした。

そのボズ・スキャッグスのアトランティックでのアルバムの内ジャケットで、マスル・ショールズ・リズム・セクションの若き姿が見られる。
'70年代初期には、ポール・サイモンやステイプルズ・シンガーズのヒット曲のバック・サウンドが注目を浴び、世界のミュージシャンやプロデューサーの「マスル・ショールズ詣」が始まるのであった。
また、デヴィッド・フッドとロジャー・ホーキンスの二人は、後期トラフィックのメンバーにもなり、レコーディング、ツアーに参加している。
(予断だが、ジェシ・デイヴィスが後期フェイセスのツアー・メンバーだったようで、写真も残されているが、録音が残されているかは不明)
彼らのサウンドの基本は4人のベーシック・リズム隊に、ピ−ト・カーやエディ・ヒントンやウェイン・パーキンスなどのギターが加わることが多かったようだ。
ところで、そんな「マスル・ショールズ・リズム・セクション」のCDを最近入手した。

今まで、他人のバック演奏は山のようにあるが、自分達の名前でのアルバムは無かった、と記憶している。
このアルバム、一般市販はされていないようで、ALABAMA MUSIC HALL OF FAME プレゼンツの限定盤と明記してある。
どうも、ミュージアムのお土産CD(?)のようであるが、何故か日本でも入手できたから、不・思・議・。
録音時期は記されてないが、CD裏の写真で判断すると、どうも最近のようだ。
内容はオール・インストで、リズム・ギターのコード・カッティングが小気味良い1曲目「SWAMPERS」から、利き所は沢山あるアルバムだが、全ての人にはお薦めできるCDではない。
マスル・ショールズ・サウンドが大好きで、彼らのリズムに身を任せたい人達へはお薦めであるが・・・。
ちなみに、マスル・ショールズ・サウンド・スタジオのオリジナル・スタジオは売りに出されたらしいが、2代目スタジオは拡張され近くにあるらしい。
また、フェイム・スタジオも健在で、リック・ホールの子供(?)が後を継いで、最近はレーベルも復活し、好盤を出している。(その辺は、いづれ・・・。)
ということで、しばらくはアラバマテネシー辺りを散策しますかね・・・。