ヘンリー・マックロウ ②

meiteizz2005-01-14

元グリース・バンドのギター&ヴォーカルのヘンリー・マックロウがソロ・アルバムを出したのは1975年のこと。
ジョージ・ハリソンのダークホース・レーベルから。
グリース・バンド時代がヘンリー氏のキャリアの第一期目だとすると、このファースト・ソロの発表は第二期目へのスタート。
このファースト・アルバムは、グリース・バンドのファーストをもっとレイド・バックさせたような極上の英国スワンプ・アルバムである。
ギター・リフがご機嫌な1曲目、フニャフニャ・ヴォーカルが切ないバラードの2曲目、ちょっぴりジェシ・デイヴィスを思い起こさせるブギーな3曲目。(ご機嫌なエレピが聴ける。)レゲエな4曲目に、ピアノのイントロが印象的なスローの5曲目などなど。
ヘンリー氏のギターは、あくまでつぼを押さえた演奏。決して弾きまくらない。
素敵な曲が目白押しのこのアルバムが、ヘンリー氏のベスト・アルバムであることは明白!
しかし、このアルバムは過去一度もCD化されていない。非常に残念なことである。

その後、フランキー・ミラーやロニー・レーンなどとの数々のセッションをこなしているが、セカンド・アルバムが出たのは9年後の1984年、独のライン・レコードから。
「Hell of A Record」と題されたこのアルバムは米国はタルサ録音。
いきなりカントリー・リックのギターに続いてフィドルが絡んでくる1曲目から驚かされる。
グリース・バンドやファーストからの流れを期待して聴くと若干肩透かしを食わされる。
全体的には、スワンプというより、カントリーという雰囲気が強い。
3曲目の「Can't Help Falling In Love」もペダル・スティールが、よりカントリーっぽさを倍増させている。
10曲目の短いインスト・ナンバーでの「コールド・コールド・ハート」に続いて「ハンク・ウィリアムスのことを考えると眠れないんだ」という曲まで入っている。
しかし、イロ物的アルバムではなく、ヘンリー氏の違う一面を表現したアルバムである。
このセカンドの前に「All Shock Up」(エルヴィス)というマキシ・シングル(懐かしい表現)が出ているが未聴である。
「CUT」と題されたサード・アルバムが出たのは、1987年。
セカンドと同じライン・レコードから。
手元にあるのは、15曲入りのCD。アナログが出ていたかは不明。
このアルバムは1978〜1983のアウト・テイク集。
先のマキシ・シングルの「All Shock Up」は、ここに収録。淡々と歌っているが同じテイクか、は不明。
3曲目の「ジョン・ヘンリー」(トラッド)では、ご機嫌なスライド・ギターが聴ける。
「Can't help・・」のダヴ・ヴァージョンや、ニック・ロウストーンズの曲のカヴァーもあり、なかなか楽しめる。
セカンドより好きだな。
この後、1989年にライヴ・アルバムが出ているらしいが、未聴。
この辺りまでが、ヘンリー・マックロウのキャリアの第二期だと思われる。
次回は、この後から最近までの第三期へと続く・・・・・。