ヘンリー・マックロウ ③

meiteizz2005-01-17

ヘンリー・マックロウが1989年のライヴ・アルバム(未聴)を出してから、次のアルバムを出すまで、また長い時間が経った。

1998年に出された「BLUE SUNSET」は6曲入りのミニ・アルバム。
ヘンリー・マックロウ・バンド名義のこのアルバム、どうもポーランド録音でポーランドの会社からの発売。メンバーも現地のミュージシャンのようだ。
しかし、内容はしっかりしている。サウンドはファーストよりタイトな感じで、スワンプというより、ルーツ系ロック・バンドといった風情。珍しく、オーソドックスなブルース・ナンバーもある。「カム・トゥゲザー」と「朝日の当たる家」をカヴァー。
次のアルバムは2001年の「BELFAST TO BOSTON」。前作同様、ポーランド製。
今度はヘンリー・マックロウ・ブルース・バンド名義。
しかし、中身はブルース・ナンバーが3曲あるが、全体的には前作同様ルーツ・ロック。
ビートルズの「YOU CAN'T DO THAT」や、再び「I CAN'T HELP FALLING IN LOVE」(レゲエ・ヴァージョン)をカヴァー。
アコギで渋く決めるアルバム・タイトル曲にうっとり、しんみり。
そして、珍しく短いサイクルでの次作アルバム「UNFINISHED BUSINESS」の発売は、2002年のこと。
ポーランドから戻ってきてのアルバム、気合が入っている。
「タルサ・タイム」を思わせるリズムにドブロが絡む、ご機嫌なナンバーから始まり、
ヘンリー氏のご機嫌なフラット・マンドリンとドブロが絡むインスト・ナンバー。
フラマンやアコーディオンが効果的に使われ、ヘンリー氏の渋みの増したヴォーカルのゴスペル・チックなコーラスが絡む、正にスワンプ。
「BELFAST TO BOSTON」と「I COULDN'T SLEEP FOR THINKING OF HANK WILLIAMS」のセルフ・カヴァーもあるし、ファッツ・ドミノの「LET THE FOUR WINDS BLOW」や、ディランの「HOLLIS BROWN」、ポール・マッカトニーの「BIG BARN BED」のカヴァーなども収録。
(このアルバム作成には、ポール・マッカトニーの応援があったことが、ライナーに記されている。)
また、逆にヘンリー氏作の「FAILED CHRISTIAN」という曲は、ニック・ロウがカヴァーしている。
カヴァー曲が多いせいもあるのだろうが、変化にとんだ内容で、サウンドもスワンプっぽさを増している。
爺的には、ファースト・アルバムに続く出来だ、と思っている。
ただ、独占契約とかいうことで、一部の店にしか並んでいなかったのが、残念である。
次のアルバムはいつ発表されるのか?楽しみである。