シングル盤で聴く爺的名曲・迷曲:国内編②

大阪へ出て来てから/ あこがれの北新地 : 上田正樹


ベタな選曲ではあるが、大阪へ来てから、未だ半年の爺には、ほっとする歌である。
アルバムでは「上田正樹&有山淳司」になっているが、シングルでは何故か、上田正樹の名前のみになっている。
ラグタイム風のピアノと有山氏のギターのイントロで始まるこの曲、典型的な12章節のブルースではないが、古いブルース・フォームを借りている。
(たぶん元歌はあるだろうが)、田舎から都会へ出てきた若者の心情をうまく表した名曲だと思う。
しかし、この頃のキー坊の歌と有山のギター(敬称略)のコンビは最強である。
日本語のブルースでは、憂歌団の「嫌んなった!」と双璧をなしている、と思っている。
やっぱり、宝くじ(年末ジャンボ)を買うしかないんかな?

ジャンジャン町ぶるうす/五つの赤い風船’75


大阪へ転勤が決まった時、住まいを何処にするかは、大して悩まなかった。
何故か、大阪に住むならミナミ、と昔から思っていたのだ。
天王寺近辺に住まいを探す」と言ったら、ほとんどの人に反対された。
でも、爺の性格や行動パターンを知っている人は、「いいんじゃない」とか「合うかも」と言ってくれた。
という訳で、今は天王寺から南へ数駅下った町に住んでいる。
何故、大阪では、キタよりミナミ、梅田より難波という風に思うようになったかを考えると、たぶん、大阪発のフォークやロックなどの影響で勝手にイメージを膨らましただけなのかなと思ってしまう。
また、東京の新宿や渋谷の人混みは嫌いだが、小さな商店街の人混みは好きである、という体質のせいもあるのかも知れない。
最近、天気の良い日の日課は、午後の散歩である。
ルートは、天王寺まで電車ででかけ、天王寺からちょっと歩き、ジャンジャン横丁から新世界を抜け、日本橋(大阪ではニッポンバシ)の中古盤を覗いて、難波へたどり着き、ちょいと一杯ひっかけて、帰宅。
場合によっては、天王寺四天王寺日本橋というコースを取ることもある。
話が長くなったが、この曲はリアル・タイムで入手して聴いていたが、既に処分していた

大阪へ来てから、急に聴きたくなり、探していたが、なかなか見つからなかった。
最初、西岡たかし氏のベストに入っているのを見つけ入手し、聴いたが何となくしっくり来なかった。
その後、このシングルを発見して、しっくり来ない原因が分かった。録音も、メンバーも違っていたから、なのだ。
五つの赤い風船に「’75」があったのも、失念していた。
「’75」のメンバーは、西岡たかし、中川イサト金森幸介、ながいよう、の4氏。

カントリー・ロック調に仕上がったこの曲、イサト氏のご機嫌なエレキも聴ける。
金森氏がヴォーカルを取る、バーズ風イントロのB面「ある朝こっそり」も、ウェスト・コースト風ロックで良い出来。
隠れ名曲、2曲!