DIRT FARMER ・ 自作農

meiteizz2007-10-29

と題されたアルバムを久々に出したのは、「あの」レヴォン・ヘルム
一時期は、もう歌えないのでは?という噂もあり、ファンはやきもきしたものだが、病気を乗り越えて、帰って来てくれた。

「DIRT FARMER」と題されたこのアルバム、セピア色のジャケット(レヴォンが農作物の出来を静かに確かめている表面、そしてトラクターの上で遠くを眺めるレヴォンのシルエットの裏面)を見た時、スタイン・ベックの「怒りの葡萄」やウッディ・ガスリーが歌った世界をふと思い出した。

が、その予感は正解だったとは言えないものの、聴こえてきた歌は(レヴォンの両親が生きてきた)古い時代へ想いを馳せたもの。
全13曲中、トラディッショナル曲を5曲も取り上げているのが、その証だと思う。
アコースティック・ギター、フラット・マンドリンフィドル、リゾネター・ギターなどのシンプルな演奏をバックに、レヴォンは、ザ・バンド時代とは同じようであって、違う歌声を聞かせてくれる。

表ジャケットとは対照的にインナー・ジャケットには、、お花畑にエイミー・ヘルム(娘さん?)などと並んで写っている写真が、そして微笑むレヴォンの姿。

これが、今のレヴォンの姿(皆んなに囲まれて、俺は元気に歌っているよ)を表しているのだろう。

万人に受け入れられるアルバムではないことは承知だが、「あ〜、あの人の・・・」という言葉だけで片付けられるには、勿体無いアルバムである。

ブルー・グラス、ヒルビリー、フォークなどのプア・ホワイトの匂いはするが、ブルースの匂いは殆ど無い。
唯一、取り上げれているJ.B.ルノアの「FEELIN’GOOD」とて、ブルースの匂いは希薄なのである。

「原点回帰」という言葉が見事に、はまっているアルバムである。