ソウル・オン 1972 パート2

meiteizz2005-02-06

●ブルース&ソウル・ルイジアナ

1975年のオムニバス・アルバムに行く前に、1972年にもう1種類:2枚のオムニバス・アルバムが出ていた。
それは、キング・レコードから出ていた「ブルース&ソウル・ルイジアナ」のVol.1&2のジュエル・レコード系のオムニバスである。
ジュエルは米国南部ルイジアナン州シュリブポートで、1965年にスタン・ルイスという白人によって設立されたレコード会社である。
傘下にはポーラ、ロン、ウィットなどのレーベルを持っていた。
ジュエルはブルースが有名で、ライトニン・ホプキンス、ロウエル・フルソン、カーター・ブラザース、リトル・ジョニー・テイラーなどのレコードを出していた。
この2枚のアルバムは、タイトルの「ブルース&ソウル」に反し、ブルースの収録は少ない。
この頃は、ヒット曲としてのソウルのオムニバス・アルバムは出ていたが、先の「ソウル・オン」や「ソウル・ディープ」そして、この「ブルース&ソウル・ルイジアナ」のような、アルバムは少なかった。
このアルバムの収録アーティストは、当時ほとんど無名で、唯一リトル・ジョニー・テイラーがギャラクシーからの「パート・タイム・ラヴ」の大ヒット(1963年)で知られるくらい。
しかし、当時無名でも、今やディープ・ソウルに欠かせないアーティストが多く収録されている。
「パート・タイム・ラヴ」の作者:クレイ・ハモンド、「イン・タイム」や「ザ・ベルズ」を歌うボビー・パウエル、ロスコー・ロビンソンは「アイム・サティスファイド」が収録。
他に、テッド・テイラー、ナ・アレン、トミー・リッジリー、ジョー・バレンタイン、それにバーバラ・ウェストまで収録されている。
今でこそ、ディープ・ソウル・ファンには馴染みの名前だが、当時は「誰?」って感じ。
編者の桜井ユタカ氏の心意気が伝わる内容だ。
(といっても、爺は後年入手したのだが・・・。)
ジュエル・レコード系の再発は、結構多くPヴァインなどで発売されていた。
CD時代になっても、数年前に3枚組の「THE JEWEL DEEP SOUL STORY」というのが発売された。
再発が多いのは、レコード会社のオーナーが白人というせいもあるのか、音源とか版権の管理がしっかりしていたからと推測される。
どんな良い曲でも、版権の問題で、なかなか再発できないのが沢山あるようだ。
それ以前に、この数年、日本のレコード会社(一部インディーを除き)が、ヒット曲中心の経営にますますなっているようで、こういう版権の調査などの手間のかかるオムニバス・アルバムの発売は避けているような気がしてならない。
最近は紙ジャケットの再発で、お茶を濁すことが多くて・・・・。
残念なことだ。
ということで、次回こそは、1975年・・・。