キャプリコーン・ミーツ・マスル・ショールズ、そして・・・

meiteizz2005-01-26

探し物をしていて、目的の物ではないのを見つけてしまうことが、たまに有る。
今回の獲物は、パーシー・スレッジの「I'LL BE YOUR EVERYTHING」というCD。
とっくに手放していたと思っていたが、ロックのCDとご一緒だった。
'75年に発売されたこのアルバム、4,5年前に「キャプリコーン・クラシックス」の中の一枚としてCD化されたもの。(国内未発売)
(しかし、このジャケットは悲しい、パーシー・スレッジの顔がどこにも見えない!)
プロデュースは、あのクイン・アイヴィー、録音場所はマスル・ショールズ・サウンドで、バックはご存知、ピート・カー、ジミージョンソン、デヴィッド・フッド、ロジャー・ホーキンスによるマスル・ショールズ・リズム。
バック・コーラスにはジニー・グリーンの名も見える。
このアルバム可愛そうに、ロック・ファンにもソウル・ファンにも、大して見向かれないが、なかなかどうして捨てがたいアルバムなのである。
パーシー・スレッジは、「男が女を愛する時」や「ウォーム・アンド・テンダー・ラヴ」「恋は時間をかけて」などのスロー・バラードのヒット曲が多いうえに、アップ・ナンバーのノリが悪く、スロー・ナンバー以外はいまいち、の評価が多い。
そういうせいか、このアルバムもスロー・ナンバーが中心となっているが、唯一のアップ・ナンバー「I Believe in You」やミディアムの「Long Among People」も良いし、ミディアムで後半どんどん盛り上がる「Blue Water」も、なかなか良い出来である。
スロー・ナンバーでは、アルバム・タイトル曲の「I'll Be Your Everything」と「Hard to be Friends」の出来が良い。
今回、曲目をまじまじと眺めていたら、作者の中に気になる名前を見つけた。
「I'll・・・」の作者:GEORGE SOULE、 「Hard To・・・」のLARRY MURRAY、「Blue Water」のMARK JAMESの3人。
GEORGE SOULEは、以前取り上げた「COUNTRY GOT SOUL」や「COUNTRY SOUL REVUE」に収録されていた人と思われる。
残りの二人は?、と同名人のアルバムを、引っ張り出す。

● LARRY MURRAY/SWEET COUNTRY SUITE

残念ながら同名の曲は無かった。
'60年代後期のフォーク・ロック・バンド:ハーツ&フラワーズへの在籍や、バーズ時代のクラレンス・ホワイトが取上げた「Bugler」(このアルバムにも収録)などで有名なラリー・マレイの唯一のソロ・アルバムは'71年の発売。
バックには、スワンプ・ウォーターのメンバーや、バディ・エモンズやJ・D・サウザーが参加している。
カントリー・ロックの名盤と評価されるこのアルバムの収録曲の中には、スワンプ・ゴスペル・チックな「Country Comfort」や「Back to the Good Earth」などなどの曲があり、ラリー・マレイが「Hard・・」の作者かも?というのは、あながち的外れではないだろう。
いいアルバムである。

● MARK JAMES

一方、マーク・ジェイムスのアルバムには、有りました!「Blue Water」という曲が。
聴いてみると、同じ曲でやんす。
エルヴィス・プレスリーの「サスピシャス・マインズ」やBJ・トーマスのヒット曲の作者として有名なマーク・ジェイムスはテキサスの出身らしく、南部のライターとの仕事も多く、チップス・モーマンやスプーナー・オールダムとの共作もある。
'73年にBellレコードから発売されたこのアルバム、ニューヨーク録音で、物知りな人によるとBJ・トーマスのアルバムのバック陣とほぼ同じらしい。
全体的に都会的なホワイト・ソウル&スワンプっぽく仕上がったこのアルバム、爺の好きなアルバムの一枚である。
ファンキーな「I'd Get Enthused」はなかなか格好良い曲だ!
「Blue Water」をパーシー・スレッジ版と聞き比べてみると、アレンジも大して差がないが、バック・サウンドなどを含め、パーシー版に少し分がありそうである。
しかし、マーク・ジェイムスの方もなかなか良い出来である。

普段、ライナーや曲目やクレジットなどをしっかり読まない爺だが、たまには読まないとまずいかな〜。
と、一旦書き終えて、ネットでマーク・ジェイムスを検索していろいろ見ていたら、無知(無恥?)な爺に驚きの事実が・・・・。
なんと、あのオヴェイションズの大好きな曲「HOOKKED ON A FEELING」もマーク・ジェイムス作だったんだ〜!!
あ〜、一夜漬けばかりで、日頃から勉強していない爺は、やっぱり無知&無恥。
トホホ・・・・。
と、またまた書き込んだ後に思い出した。
'72年に発売された日本編集のディープ・ソウルのコンピレーションの大名盤「SOUL DEEP Vol.1」に、ディオンヌ・ワーウィックの妹:ディー・ディー・ワーウィックのソウルフルな「サスピシャス・マインズ」が収録されていた・・・。
トホホX100・・・・。